来春から大学進学を控えている方は、これから始まる新生活に心弾ませていることでしょう。今回は、”大学生の青春の象徴”と言っても過言ではない、サークルや部活動についてコロナ禍の現状を取材しました。この度インタビューに応じてくれたのは、北海道江別市にある札幌学院大学 法学部に通う2年生のＳさん。サッカー部に入部した経緯や、活動内容について、お電話にてお話をお伺いいたしました。

サークルと部活動の違いは何？

赤坂 静香

1年生の9月から札幌学院大学のサッカー部に所属しているとのことですが、入部の経緯など詳しくお聞かせください。

Ｓさん

大学生になったら、サークルや部活動に入りたいと漠然と思っていてTwitterなどで調べたんですが、僕が入学した去年は新型コロナウイルスが流行していたので、活動しているところがほとんどなかったんです。授業のほぼすべてがオンラインで、大学へ行くことすらなかったですね。

赤坂 静香

2020年4月に大学へ入学した皆さんは、思い描いた大学生活を過ごせず、色々と混乱したことと思います。しかし、なぜ9月から部活動を始めようと思われたのですか？

Ｓさん

1年生の前期が終わり、コロナの終息の目処も立たない中で、このまま何もせず貴重な大学生活の4年間を過ごすのが嫌になったんです。サークルは、大学が設定する新型コロナウイルスの危機管理レベルが2になると活動を中止しなくてはいけないのですが、大会に出場するなど明確な目標を持つ部活動は、大学の許可があればコロナ禍でも活動が継続できることを知りました。

既存のサッカー部は名前はあるものの、部員もおらず実質一切の活動はしていない状況でしたが、同じ大学に通う友人4とサッカー部を再結成することにしたんです。

赤坂 静香

なるほど、コロナ禍ではサークルと部活動で、そのような違いがあるのですね！一般に自由度の高いサークルに比べて、部活動はやりがいがある分、学業やアルバイトとの両立が大変かと思いますが、活動して約1年いかがですか？

Ｓさん

忙しい時もありますが、充実感の方が大きいですね。僕たち2年生が中心のサッカー部なので、対面授業のある日に練習するなど、スケジュールに無理がないよう、仲間と相談しながら決めています。今はリーグ戦の真っ只中で、みんな気合いが入っていますよ。去年はコロナの影響で大会の開催がなかったのですが、今年は「試合に勝ち、2部に昇格する！」ことを目標に日々練習を重ねています。

赤坂 静香

Ｓさんは学業・部活・アルバイトをバランス良くこなし、楽しんでいるように感じますが、そのコツは何ですか？

Ｓさん

大学では自分で講義を選んで時間割を作れるので、部活のある日に授業を多く入れたり、講義を1コマも入れない全休の日をつくったりしています。

アルバイトは自宅近くのスポーツ用品店で、大学受験が終わった3月頃から始めました。実家から通う大学生は、入学前にアルバイト先を決めておくと、慌てることなくスムーズに大学生活をスタートできるかなと。全休や遠隔授業の日にアルバイトのシフト希望を出すなど、上手く調整すると良いと思います。

新大学生が知っておくと便利な、サークルや部活動の情報入手ツール

赤坂 静香

大学1年生の秋頃からＳさん含む4人でサッカー部を再結成されて、現在の部員は何名になったのですか？また、部員募集はどのように行ったのですか？

Ｓさん

今は3人のマネージャーを含めて、27人にまで部員が増えました。サッカー部として活動し始めてまもなく、大学がサークルや部活動の勧誘イベントを開催してくれて、すごく助かりましたね。サッカーは11人揃わないと試合に出場できないので、タイミングが良かったな、と思います。

赤坂 静香

本来であれば入学式などで、先輩が新入生を勧誘できるはずが昨年はその機会すらなかったですものね。大学側で、そのようなイベントを施してくれて良かったですね！他に部員を募集するために行動したことはありますか？

Ｓさん

半分は大学のイベントからですが、残りはTwitterやInstagramですね。マネージャーがSNSの管理をしてくれていて、選手やマネージャーの募集は随時行っています。僕自身、1年生の時は主にTwitterで情報収集をしていたので、これから大学生になる方はまずは「＃大学名」などで検索してみると、色々な情報が得られると思います。札幌学院大学のサッカー部に興味がある方は、是非ご連絡ください！

Twitter→@sgu_soccer_2020
Instagram→@sgu_soccer_2020

赤坂 静香

SNSを拝見すると、選手の皆さんのお顔が載っていたり、気軽に匿名で質問できる「質問箱」を設けたりなど、部員を増やすための工夫を凝らしているのがよく伝わります。

遠隔授業が主流となった昨年の新入生は、同じ大学に通う友だちづくりのツールとしても、Twitterが使われていたようです。すでに志望校や進学先が決まっている方は、入学後すぐに大学生活を謳歌できるよう、今からSNSをチェックしておくと良いですね。

サークルや部活動に入るメリットとは

赤坂 静香

Ｓさんが感じる、サークルや部活動に入るメリットは何だと思いますか？

Ｓさん

人との繋がりができることですね。今年の10月から大学が設定する、新型コロナウイルスの危機管理レベルは1に下がりましたが、僕の法学部では未だに遠隔授業が7割の現状です。学部によっては対面授業が大幅に増えていますが、遠隔授業の多い学部は大学内の人との関わりが本当に少ないと思います。

赤坂 静香

同じ大学でも学部によって、授業形態の方針が異なるのですね。Ｓさんの法学部では、対面授業と遠隔授業を組み合わせた”ハイブリッド型授業”が実施されていますが、授業がない日に部活動などで学校に行くことはありますか？

Ｓさん

僕は大学から離れた実家から通学していることもあり、基本的には授業がある日に合わせて部活動の練習を入れるようにしています。

授業だけだと人と接する機会が限られますが、部活動があるおかげで、友だちが増え人脈が広がったと感じます。札幌学院大学のサッカー部は僕ら2年生が中心となって運営しているので、授業やアルバイトに差し支えない範囲で、バランスよく活動していきたいと思っています。

赤坂 静香

サッカー部員の各学年の人員構成を教えていただけますか？

Ｓさん

1年生が8人、2年生が17人、3年生が1人、4年生が1人です。3年生は就職活動、4年生は卒業論文などで忙しく、今は1、2年生中心で活動しています。厳しい上下関係はなく、和気あいあいとした雰囲気なので、新入生が入部しやすい環境であると思いますね。

赤坂 静香

それでは最後に、今後の目標をお聞かせください。

Ｓさん

試合に勝って、2部・1部へと昇格していくことですね！それと僕たちが再結成させたサッカー部なので、卒業後もずっと存続できるよう、後輩に運営の引き継ぎなどしっかりしたいと思ってます。

赤坂 静香

取材へのご協力、ありがとうございました。札幌学院大学サッカー部の益々のご活躍、応援しています！

まとめ

全国的に大学でのハイブリッド型授業が定着しつつある昨今、大学生がいかに人とのつながりを持てるかが、今後の進路や人生に大きな影響を与えるように思います。遠隔授業で時間効率が上がるなどのメリットもある反面、大学内での直接的なコミュニケーションが希薄になり、不安・孤独からくる心身の不調など、デメリットも浮き彫りとなっています。大学生が勉学に励むことはもちろんですが、サークルや部活動でしか得られない経験も多くあります。今回の取材を終え、これから大学進学を控えている皆さんには、主体的に人と接する機会を得て、自ら充実したキャンパスライフを送ろうとする、強い意志が必要と感じます。