大学進学のため故郷や親元を離れ、一人暮らしをされる方は、慣れない地での暮らしやコロナ禍での大学生活に少なからず不安があることでしょう。それらの不安や疑問に思っていることの解決になればと、北海道江別市の札幌学院大学 人文学部 英語英米文学科に通う2年生のKさんに、電話取材を行いました。

Kさんへの取材は、今回で2回目！一度目は、大学1年生の冬でした。『新型コロナ禍での現役大学生の年末年始の過ごし方や、大学生活の実態とは【北海道外出身編】』で詳しくご紹介していますので、あわせてこちらもご覧ください。

新型コロナウイルスの流行による緊急事態宣言がもたらす大学生活への影響とは

赤坂 静香

北海道では3回目の緊急事態宣言が解除されて早1ヵ月。まん延防止等重点措置期間も含めると、大学に行って勉強したり、友達と飲み会をしたりなど、従来当たり前だった普通の大学生の日常を、入学以来過ごせていなかったと思います。

緊急事態宣言の前後で感じる変化や、今期待していることがあればお聞かせください。

Kさん

新型コロナウイルスの感染状況に応じて、大学が危機管理レベルを設定するのですが、私の通う札幌学院大学は2021年10月4日から「レベル1」に引き下げられ、やっと対面授業が主流の毎日になりました。

今までは9割以上がオンライン授業だったので、直接語学や海外の文化を学べて、とても充実しています。今すぐにでもやりたいことは、留学ですね。社会人になる前にネイティブな英語や文化を肌で感じたいです。

赤坂 静香

世界的にもワクチン接種が進んでいるので、早く留学できるといいですね。オンライン授業と対面授業の日常、どちらも経験した上で、Ｋさんが感じるメリット・デメリットは何ですか？

Kさん

オンライン授業のメリットは、通学への準備や授業の空きコマなどがないので、睡眠にあてたり家事をしたりと、時間を有効活用できることですね。デメリットは、授業で分からないことをその場で解決できないことかな……。でも札幌学院大学の先生はとても親切な方達ばかりで、夏休み中でもメールやLINEで気軽に質問ができたので、恵まれた環境だなと思っています。

対面授業の日常で感じるメリットは、大学から歩いて2分のマンションで一人暮らしをしているので、授業がない日や夜遅くなっても時間を気にせず、大学に行って勉強できることですね。それに、対面授業は適度な緊張感もありつつ楽しくて。学業へのやる気がより増した気がします！しいてあげるならデメリットは、アルバイトと学業の両立で忙しくなり、時間に余裕がなくなったことかなと。

赤坂 静香

オンライン授業下でも、先生と密なコミュニケーションが取れるのは心強いですよね。対面授業下で時間的な余裕がなくなったのは、緊急事態宣言が解除されて、アルバイト先の飲食店の営業時間が延びた影響でしょうか？

Kさん

はい、その通りです。営業時間が延びた分、アルバイト代が増えるのは嬉しいのですが、家に帰る時間が遅くなって、睡眠時間が少し減りました。でも、対面授業が主流の日常になって、改めて大学から近い部屋を選んで良かったと実感しますね。

一人暮らし2年目。毎月の食費や貯金額はどのくらい？

赤坂 静香

青森にご実家があるＫさんですが、1年目の時と比べて一人暮らしには慣れましたか？　また、「北海道の大学に来て良かった！」と感じるのは、どんな時ですか？

Kさん

一人暮らしはだいぶ慣れましたね。洗濯・料理・掃除など、家事にも慣れて効率よくこなせるようになったと思います。特に料理が楽しくて、徐々に作れるレパートリーも増えてきました。

北海道の方は、学校の先生はじめ友人、アルバイトの仲間、マンションの管理人さんなど、気持ちがあたたかくて親切な人が多いなぁと感じます。江別の環境も地元の青森と大きく変わりなく、自然が豊かで住みやすいです。最寄り駅から札幌駅まで15分程度で行けるのも便利です。

赤坂 静香

これから一人暮らしをされる方の参考に、可能であれば、Ｋさんの毎月の食費と貯金額を教えていただけますか？

Kさん

毎月の食費は、外食を含めて2万円くらいですかね。月に1回くらいのペースで実家からの仕送りがあるので、そのおかげで食費を抑えられています。対面授業がはじまってからは、学食を利用する頻度も上がっていて、食費の節約になりありがたいですね。毎月の貯金額は、だいたい1万円ほど。余裕がある月はプラスしたり、出費が多い月は減らしたりして、月にならすと平均1万円くらいだと思います。

赤坂 静香

仕送りや学食で食費を抑えて、毎月貯金もしているなんて、すばらしいですね！　ちなみに、どんな仕送りが送られてくるのですか？

Kさん

食料品が多いですが、洗剤などの日用品も送ってくれています。仕送りが来ていちばん嬉しいのは、母の手料理とちょっとした手紙です。

このご時世、頻繁に実家に帰ることができないので、離れた地でも実家の味を食べられるのは本当に感謝です。段ボールの中には母からの手紙も入っていて、愛情を感じます。それに、一人暮らしをしてから毎日家族と連絡をとっているので、寂しい気持ちは随分紛れますね。仕送りの手料理や手紙のおかげもあって、コロナ禍でも楽しく暮らせているのだと思います。

赤坂 静香

とても素敵な、あたたかいご家族ですね。Ｋさんは、貯金の用途や目的を決めていますか？　また、一人暮らしの大学生が貯金をすることに対して、何か考えはありますか？

Kさん

友人との旅行や、「頑張った自分へご褒美をあげよう！」という時のために貯金をしています。まだまだ北海道を満喫できていないから、たくさん旅行に行きたいですね。あくまで私のスタンスですが、貯金は無理のない範囲でできればいいと思ってます。普段は自炊していても、たまには友達と外食もしたいし、服やコスメも買いたいです。なので、貯金の最低ラインを自分で設定して、それを下回らない程度に好きなことをしています。”貯金も節約も適度に”が、私の考えですかね。

コロナ禍の大学生活と一人暮らしに、アルバイトが欠かせない理由

赤坂 静香

Ｋさんは、1年生の時から同じ飲食店でアルバイトをしていますが、コロナ禍でアルバイトを続けて良かったと感じるポイントをお聞かせください。

Kさん

入学時から大学の授業の大半がオンラインだったので、人と直接会う機会がないのが辛かったんですよね。アルバイトは日々の生活費をまかなう意味だけでなく、同じお店で働くスタッフやお客様とコミュニケーションをとれるのがとにかく楽しくて、今も続けています。コロナ禍でオンラインのコミュニケーションも充実しているけど、人と会って話すオフラインのコミュニケーションの場も意識的に持つのが大事だと思います。特に一人暮らししたばかりの大学生なら、なおさらです。あとは、言葉遣いや礼儀など、社会勉強の一環にもなっていますね。

赤坂 静香

Ｋさんがどんな時も明るく、前向きな大学生活を過ごしている秘訣は、やはり「コミュニケーションを積極的にとること」ですか？

Kさん

そうです！　地元の旧友や家族とは電話やLINEで頻繁に連絡をとり、大学の友達やアルバイト先の仲間とは直接会って話すのが、一人暮らしと大学生活どちらも楽しく充実させるポイントだと感じています。

友人とキャンパス内で

赤坂 静香

飲食店は新型コロナウイルスの感染状況の影響を受けやすいですが、同じ大学に通うＫさんの友人はどのようなアルバイトをしていますか？

Kさん

私の周りは、飲食店でアルバイトをしている人しかいませんね。時短営業や休業などでシフトが減り、収入が多少減ったという話も聞きますが、長期に渡っての大きな影響はないようですね。新型コロナウイルス流行後にアルバイトの求人募集を見て採用されているのが私たちの世代なので、コロナ禍でも需要があったり人気の飲食店で働いていたりするからかもしれません。

赤坂 静香

なるほど、ありがとうございます。コロナ禍での大学生の新しい働き方についてご紹介した記事もありますので、今後の参考に、よろしければご覧ください。この度もお忙しい中、取材へのご協力誠にありがとうございました！

Kさん

新大学生の皆さんの参考になれば嬉しいです。ありがとうございました！

まとめ

最後に、これから大学進学を控えている高校3年生やその親御さんも気になるであろう、車の免許の取得時期と、就職活動の開始時期についてもＫさんにお聞きしてみました。

車の免許については、住民票が地元青森のため、就職活動が始まる前の2年生の冬休みに教習所への入校を検討しているとのことでした。青森も北海道も雪が降る地域なので、冬の運転に慣れる意味でも、冬休み期間に取得したいそうです。「車の免許、いつ取りに行くのがベスト？繁忙期や閑散期で料金は変わる！？」の関連記事もありますので、あわせてご覧ください。

また、就職活動については、留学を最優先とし、留学後にスタートしたいとおっしゃっていました。将来は日本の文化を海外へ普及させる職に就きたいと、語ってくれたＫさん。今後の更なるご活躍に期待しつつ、残りの学生生活がより充実したものとなりますよう、陰ながら応援しています。