親目線で考える、大学生がクレジットカードを持つメリットと注意点は?
この記事のサマリー
- 親として大学生である子どもにクレジットカードを持たせるべきか
- 学生専用クレジットカードのメリット
- 教えておきたいクレジットカードのリスク
- 学生のクレジットカードはリスクを限定できる
目次
親の立場から見て、大学生の子どもがクレジットカードを持つべきかどうか、皆さんはどう思いますか?
2021年に大学生を対象に調べた調査(日本クレジットカード協会調べ)によると、大学生のクレジットカード所持率は6割を超えているそうです。しかもこの割合は、年々上昇しています。ちなみに筆者(私)の大学生の娘もクレジットカードを所有し、日常的な買い物に利用しています(正確にはクレジットカードと電子マネーやQRコード決済を紐付けて使用)。
ただ、ご家庭によって、学生がクレジットカードを所有することに対する考え方はさまざまでしょう。親の立場からは「学生の間は持たせたくない」という意見も多いようです。
反対する方の多くが、クレジットカードのリスク面を気にされているようです。キャッシュレスの後払いに慣れることで金銭感覚がなくなってしまうのではないかということです。確かに、自分で働いて収入を得て、毎月のやりくりを経験しないうちは、経済観念も確立しないかもしれません。
私の周囲の大人にもあくまで現金主義を基本とする人たちがいます。経済観念は、価値観同様に人それぞれなので、多様な考え方があってもいいと思います。
ただ、「知らないことのリスク」というのもあるのではないでしょうか。そもそもクレジットカードとはどういう仕組みなのか。そのメリットとリスクを子どもに正しく教え、理解させることで、逆に金融リテラシーを高め、詐欺やローン地獄などから身を守ることにもなると思うのです。
大学生がクレジットカードを持つメリット
大学生向けのクレジットカードは一般カードよりも付帯サービスが多く高還元なカードが多いのが最近の傾向です。また、年会費は無料のものがほとんどです。それは、社会人になっても同じカードを使い続けて欲しいという囲い込みの意味もあるからです。
ここではクレジットカードの一般的なメリットを挙げてみましょう。
- ECサイトでの買い物や、サブスクなどネット決済が簡単
- 現金の手持ちがなくても支払い可能
- お釣りなどのやり取りがなく支払いがスムーズ
- 利用に応じてポイント還元(還元率例:0.5〜1.0%)が受けられる
- カードによっては独自の優待特典が付帯している
- カードによっては旅行保険などの保険が付帯している
- ショッピング保険、盗難保険などが付帯しているので実は現金より安全
逆に、現金だけで生活した場合は
- ポイント還元はない
- ATMで現金をおろしておく必要がある
- 保険が付帯しない
ということになります。
海外留学や、旅行に行く機会の多い学生には、保険・補償などが付帯しているのはありがたいサービスと言えるでしょう。
教えておきたいクレジットカードのリスク
クレジットカードは、便利な反面、使い方を間違うと多大な返済額を支払うことになったり、返済が滞った時には、将来にわたって重大な信用の汚点となりますので、クレジットカードの仕組みやリスクをしっかりと家庭で話しておくことが大切です。
特に注意したいのは、キャッシングとリボルビング払いです。
キャッシング利用のリスク
クレジットカードには、買い物で利用する「ショッピング利用枠」と別に、現金を引き出せる「キャッシング利用枠」があります。クレジットカードのキャッシングを利用すると、必ず金利が発生します。クレジットカードのキャッシング平均金利は18%程度。あらかじめ利用限度額が設定されていますが、キャッシングは返済金利がかかる「借金」であることを、はっきりと認識させ、よほどのことがない限りは利用しないように注意喚起しておきましょう。
ただし、学生向けクレジットカードでは、キャッシング枠がないものが主流です。キャッシング枠をつけられるカードでも、上限は10万円までで、アルバイトなどの本人収入の申告を求められるケースがほとんどです。
リボ払いの仕組みと注意点
クレジットカードの申し込みをするとき、リボルビング払い(リボ払い)の利用を勧められることがあります。利用すると多くのポイントを得られるなどのキャンペーンもあります。しかし、このリボ払いという仕組みは、正しく理解していなければ思わぬ落とし穴があります。
リボ払いとは、カードの支払い方法の一つで、基本は利用件数や金額に関係なく、毎月当初に自分で設定した一定額ずつ支払うという仕組みです。例えば20万円の商品を購入した場合、カード会社が立て替えた分を翌月から2万円ずつといった形で返済していきます。返済時には手数料(金利)が上乗せされるので、返済総額は20万円を超え、この場合、支払い回数は10回以上となります。
手数料(金利)の水準は、カードによって異なりますが、年15%程度と、かなり高水準に設定されています。
買い物を重ねても月々の返済額が一定という点を便利と思うあまり、金利を払う「借金」という意識が乏しいままに使うと、身の丈以上の買い物をしてしまうリスクを孕んでいます。
学生向けクレジットカードはリスクを限定できる
お子さんにクレジットカードを持たせることが不安だという親御さんは、リスクを限定する方法で持たせるとよいでしょう。例えば「家族カード」という形式を使えば、本会員(親)が登録している支払い口座に子供の利用分もまとめて請求されるので、常に支払い内容を詳細に知ることができます。インターネットサービスを利用すれば、請求時前にリアルタイムで使用内容を把握することができます。
また、学生カードの多くはキャッシングができず、ショッピングの利用限度額も低く設定されているので、リスクが限定されます。クレジットカードを作る際に、その確認もされると良いでしょう。
2022年4月からは未成年の学生でも申し込みが可能になる!?
2022年4月に民法の一部改正が施行され、成人の年齢が現在の20歳から18歳に引き下げられます。(他人事ではない?消費者トラブルに気をつけて!2022年4月から成年年齢が18歳に引き下げられます。)
現在の18歳は学生ローンやクレジットカードに申し込む際に親権者の同意が必要ですが、18歳が成人として扱われるようになれば、親権者の同意は必要ありません。収入次第では銀行や消費者金融のカードローンも利用可能になります。
お子様にクレジットカードを持たせたい、持たせたくないと、心で思っているだけではなく、機会を見てきちんと話しあっておくことをお勧めします。
まとめ
日本は先進国の中でも個人のキャッシュレス化が進んでいないと国だと言われています。一概にそれを「遅れている」として悪い評価をするわけではありませんが、金融経済に関する教育面の不足からくるリテラシーの低さはあるのではないかと思います。
今回「大学生がクレジットカードを持つべきか」について解説しましたが、その是非はそれぞれの価値観に委ねるとしても、「知らないことのリスク」という部分は感じてほしいと思いました。メリットとリスクを正しく理解することが、金融リテラシーを高めることになるのではないでしょうか?
正しく使えばクレジットカードはメリットが多いことも事実です。どの会社のカードに、どんな付帯サービスがあるのか、一度調べてみてはいかがでしょうか?
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